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料理の基本
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「さしすせそ」はそれぞれの調味料の一文字を
とって並べています。
さ ------ 砂糖, 酒、 味醂
し ------ 塩
す ------ 酢
せ ------ 醤油
そ ------ 味噌
調味料さしすせそ。
料理の際はこの順番で味付けをすると、より美味しく仕上がるといわれています。
料理の「さしすせそ」の調味料を加える順番を変えたら、味に変化は生じるのでしょうか?
真相を探るべく、「さしすせそ」をすべて使うレシピを考案し、作ってみました。
では
そ
せ
す
し
さ
【作り方】
1.フライパンにごま油を少量熱し、鶏もも肉を皮目から焼く。焼き色がついたらひっくり返す。
2.全体に焼き色がついたら、調味料を「さしすせそ」or「そせしすさ」の順に加える。
3.調味料がお肉にからんだら、もやし、にら、にんにくを加え、全体的に熱が通るまで炒める。
4.盛り付けて完成。
【材料】
鶏もも肉…100g
もやし…60g
にら…1/2束
にんにく…1かけ
砂糖…大さじ1
塩…少々
酢…大さじ1/2
醤油…大さじ1+1/2
豆板醤(味噌代わり)…小さじ1
ごま油…少量
さて、調味料の順番で本当に味に変化があったのでしょうか…!?
左:「さしすせそ」の順に調味料を加えて鶏肉を焼いたもの
右:「そせすしさ」 の順に調味料を加えて鶏肉を焼いたもの
そ-せ-す-し-さ
「さしすせそ」の順番に調味料を入れた方は、鶏肉にほんのり甘みを感じ、味が丸く優しい味になりました。今回のように、中華風の炒め物では少し刺激が足りなくもありますが、煮物などの料理には合う、ほっこりする味のように思えました。
一方、逆の「そせすしさ」の順番で調味料を加えた方は、一番に入れた味噌代わりの豆板醤の辛味がガツンとくる味になりました。「さしすせそ」と同じ分量の調味料を加えている割には、酢の酸味や砂糖の甘味を感じませんでした。砂糖に関しては、入れても入れなくても変わらないのでは?というほどです。
では、なぜ砂糖を先に入れると甘味が強く出るのでしょうか。 ここで重要になってくるのが「浸透圧」です。 浸透圧は簡単に言えば、“調味料の具材へのしみこみやすさ”です。 砂糖は(ショ糖)は、塩や醤油の塩分(NaCl)に比べて浸透圧が低い、つまり“具材へ味がしみこみにくい”んですね。 なので、先に砂糖を入れてあげないと砂糖の味が中に入っていかないんです。 「そせすしさ」のように先に塩分を入れてしまうと、具材にどんどん塩分が入り込み、砂糖が入り込むスキマがなくなってしまうというわけです。
影響が出たのはお肉の味だけではなかった!
注目すべきは肉!…ではなく野菜なんです。野菜をよーく見比べてみてください。どちらがシャキっとしていそうですか?実は、見た目でも、実際に食べても、「さしすせそ」の順に調味料を加えた方の野菜のほうがシャキシャキして美味しかったのです!
「さしすせそ」の順番で調理したものでは、砂糖を一番初めに加えるため、砂糖がフライパンで熱されカラメル状になります。すると、あとから加える酢や醤油などの液体の調味料に程よいとろみができるため、野菜が保護されます。一方「そせすしさ」の順番で調理したものは、味噌代わりの豆板醤のあとに醤油や酢など液体の調味料を加えていくため、野菜がべチャっとしやすいと考えられます。
さ-し-す-せ-そ
さーしーすーせーそ
そーせーすーしーさ
そして、調味料を「さしすせそ」の順番で加えるバージョンと、あえて真逆の「そせすしさ」の順番で加えるバージョンの2パターンで料理を行い、味の比較実験を行いました。料理の手順は以下の通りです。
食べ比べてみた
そ-せ-す-し-さ
さ-し-す-せ-そ
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