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昆布(こんぶ)の一生
昆布(こんぶ)は2年かかって一人前の「成昆布」となります。
・遊走子(ゆうそうし)
昆布の表面にある「子のう斑」と呼ばれる袋の中で「遊走子」 と呼ばれる
昆布の子供は育まれます。
遊走子は秋から翌年の1月にかけて袋を突き破り 海中に飛び出していきます。
大きさはわずか8ミクロンです。遊走子は雄雌に分かれて、 「雄性配偶体」と
「雌性配偶体」となります。「雌性配偶体」は岩に付着し卵を 持ちます。「雄性配偶体」精子を作ります。
・芽胞体から造胞体
岩に付いている「雌性配偶体」が作り出す卵と海中を泳いでいる「雄性配偶体」の
作り出す 精子が受精し「芽胞体」となります。春になると芽胞体が大きくなり
「造胞体」と 呼ばれる小さい昆布となります。
・一年目葉体(水昆布)
造胞体は晩春から夏にかけて急激に大きくなり、長さだけは大人の昆布 並に
成長しますが、 身が薄く味も劣るので、水昆布と呼ばれています。
・二年目葉体(成昆布)
一年目葉体は秋口まで成長を続けますが、やがて葉が枯れ始め、根元を残して
流されてしまいます。 岩の上に残った根元から、再び成長を始め、春から夏までに
急激に大きくなり成昆布になります。
採取から出荷まで
・格付け
昆布は、生育した浜(浜格差)と等級により格付けされ、
価格が決まります。
昆布(こんぶ)の種類と特長
一口に昆布と言っても生育している場所により、様々な種類があります。 代表的な昆布とその特長について紹介します。
・真昆布(まこんぶ)
道南の函館から恵山岬、噴火湾沿岸に生育している昆布(こんぶ)です。 くせのない上品な甘みをもつ清澄なだしがとれます。噛めば噛むほど甘みが でてくる昆布です。だしをとるための昆布として、関西(特に大阪では)では よく使われている昆布(こんぶ)です。また、おぼろ昆布(こんぶ)、とろろこんぶ、塩昆布に加工もされています。
真昆布(まこんぶ)は、道南地区内でも採取される場所により、「白口浜(しろくちはま)」 「黒口浜(くろくちはま)」「本場折(ほんばおり)」「場違折(ばちがいおり)」 の4種類に区別されます。白口浜が昆布(こんぶ)の生育に最適な環境である言われています。 品質的、価格的に白口浜、黒口浜、本場折の順になります。場違折はだしには 不向きで主に加工用に使われています。
・日高昆布(ひだかこんぶ)
日高沿岸を中心に生育している昆布です。昆布の種類としては
「三石(みついし)昆布」と呼ばれています。 繊維質が柔らかく煮上がりが
早いので、昆布巻、佃煮等の煮て食べる昆布に適しています。
関東以北では「だしをとるための昆布」として 使用されていますが、真昆布、
羅臼昆布、利尻昆布と比較すると、だしの甘みが少ない昆布です。
日高昆布は生育する浜が、
特上浜、上浜、中浜、並浜にランク付けされています(浜格差と呼んでいます)。
昆布の生育状況によりこの浜格差は決まります。
ですから、
同じ一等の日高昆布でも、特上浜の一等の方が 並浜の一等よりも、昆布の幅が広く、身は厚く、旨味成分が多いということになります。
・羅臼昆布(らうすこんぶ)
知床半島、羅臼町沿岸に生育している昆布(こんぶ)です。 昆布(こんぶ)の種類として正式には「利尻系えながおにこんぶ」と呼ばれ、みなさんが 羅臼昆布を買われると商品の裏面には「えながおにこんぶ」と表示されています。 羅臼昆布は昆布の王様と呼ばれるほど、味は濃く、香りが高いだしがでますが、 だし汁が黄色みがかっています。昆布(こんぶ)の王様と呼ばれていますが、だし汁に色が つく点や味が濃すぎるという点で敬遠される方もいます。
羅臼昆布は、さらに「黒口(くろくち)」、「赤口(あかくち)」、「シマ」の3種類に区別されます。 名前の通り黒口は昆布(こんぶ)の色が黒く、赤口は赤褐色の昆布です。シマは葉の中央部分に 縞がはいっているように見える昆布です。見た目が良いので、黒口の方赤口よりも価格は高く、シマ昆布は 品質が落ちるので価格は安くなります。