かつお節の使い分けについて
では、ふたつのかつお節を普段の家庭料理で使い分ければいいか
というと、『値段の高いカビ付きのかれふしは、お吸い物やおひたし、上品な薄味の煮物や茶碗蒸しなど、だしの風味を味わいたい料理に
ぴったり』
『おもてなしにも最適』だと思っています。
私は冷凍庫にカビ付きのものとカビなしのものを常備して、
時に単品で使ったり、時にミックスして使ったりしています。
【補足】
料理屋では、さらにかつお節のお腹側を使うか、背側を使うか
(刺身を食べたときと同じく、お腹側は脂が多めで、背中側は
さっぱり)、血合いを入れるか除くか、
などの使い分けをしているところも多いです。
最近は小分けの削り節パックにも、カビ付き、カビなしのものが
出てきています。小分けのパック品も枯節のほうが少し値段は
高いですが、魚の臭みがなく、うまみも強いので、
薬味的に使うときにより効果的だと思います。
カビ付き枯節 … こした後も白濁がなく、クリアな状態(写真左)。
香りがふくよかで、まろやかさを感じる。
うま味は荒節よりも強いが、雑味がない分、すっきりとした上品な
仕上がりに感じられる。
※だしがクリアなのは、荒節の状態からカビ付けすることで、
節の中の脂肪分が分解されているから
※カビなし荒節 … こした後に少し白濁する(写真右)。
かつお自体の持つ酸味や魚の脂肪分など、いろいろな味わいが混ざった
風味がするので、魚臭の残る、少しこもった香りに感じる。
うま味自体はひかえめで、持ち味の風味と合わさることで、
枯節に比べると魚の風味の強さなどのパンチはあるが、
少しぼんやりとした印象のだしとなる。
※節によっては白濁しにくいものもあります※
次に枯節、荒節を飲み比べてみた私なりの感じたことを
細かくまとめてみます(昆布は共通して真昆布を使用、かつお節を変えて、それぞれ水に対して1%の重量でだし取りして比較しました)。
枯節と荒節の味の違い
簡単に説明すると、『カビ付きは香りが上品でまろやか、
うま味は強いだし。
カビなしは香りが魚っぽさや燻臭の混ざった少しこもった感じ、
うま味自体は控えめなだし』といったところです。
ちなみに、かつお節が作られる工程の中では、荒節がはじめにできて、
荒節をさらに加工することで枯節ができあがります。
荒節は燻しまでしているので、しっかり黒く仕上がっているのが特徴で、枯れ節はさらにそれを成形してカビ付けを何度もくり返ししているので、形もきれいで表面に茶色いカビが付着しています。
カビ付き、カビなしの実物の違い
では、実際にどんな違いがあるのかというと、実物の写真を見ると、
茶色い色のものがカビ付きで、黒っぽいものがカビなしの
ものになります。
カビ付きの茶色いものが『枯節(かれぶし)』
カビなしの黒っぽいものが『荒節(あらぶし)』という名前なので、
パック品でも“かれふし”という名前がついているかどうかが見分ける
ポイントとなるわけです。
かつお節の見分け方
かつお節は作り方の違いで、カビのついていないもの、カビのついているもの、この2種類があります。普段はなかなか実物を見る機会が少ないので、
あまり知られていませんが、普通のスーパーで売られているパック品の
かつお削り節でも、その2種類が売り分けされているのです。
見分け方の違いは、裏面の原材料表示に“かつおふし”と書いているか、
“かつおかれふし”と書いているかで見分けます。
“かつおふし”はカビなしのものを削った節、
“かつおかれふし”はカビ付きのものを削った節となります。
ちなみに“花かつお”と表に書いてあるものは、
カビなしのかつおふしのことです。
材料(用意しやすい量で)
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カビ付きのかつお節(枯節)や カビなしのかつお節(荒節)… 適量
スーパーで売られているかつお節のパックにも、大きく分けて2種類のかつお節があります。写真のようにカビがついているか、
ついていないかの違いです。
その見分け方と、だしを取った時の味の違い、
どんな料理と合わせるのがよいかなどを簡単にまとめています。